こんにちは。
迷える医学生、しらいです。
私は微積を使いながら高校物理を学んできました。
いわゆる微積物理ってやつですね。
私は正直この言い方が嫌いです。
そのことについては別記事で述べているので是非こちらも読んでみてください。
さて、今回はその微積物理を独学で学べるかどうかというテーマで記事を書いていこうと思います。
私も浪人の夏休みの殆どを使って微積物理を独学で学んできました。
結果、テストで毎回足を引っ張る苦手科目から、得点源となる得意科目レベルまで引き上げることができましたが、その過程でいろんなミスを犯してきました。
そういったことにも触れながら見ていきましょう。
目次
不可能ではない
さて、独学が可能か不可能か。
不可能ではない、と言っておきましょう。
実際私は微積物理を独学で習得しました。
夏休み明けには模試でもかなりの高得点を取ることができました。
しかし、その代償はかなり大きかったです。
なにせ、貴重な浪人の夏休みの殆どを物理に使ってしまいましたし、化学の勉強との両立も全くできず、化学はむしろ成績が下がりました。
勉強法も全くわからず、こんなことして意味あるのかとさえ思いながら勉強しました。
「これもう普通に名門の森解いたほうがいいんじゃないか…」
そう思いながら、遠回りとはいえど、なんとか微積物理を習得することができました。
このような多大なる犠牲の上に、私の微積物理が成り立っているのです。
独学は困難を極める
数Ⅲの知識がいる
教科書は微積を用いていないのに、わざわざ微積を使うということは、場合によっては、というか高確率で遠回りになることを自覚しておきましょう。
殆どの受験生が丸暗記するであろう公式の導出、定理の根源的な理解など、高校生には理解が難しい範囲がバンバン出てきます。
もはや物理と言うより数学をやっている気分になります。
数学が苦手な人は理解に苦労する、ないしは理解ができないままわかった気になる
のどちらかのパターンに陥ります。
よって、数学力に自信がないと独習は厳しいかもしれません。
割り切る必要性
何事も完璧を求めるのは大事ですが、時には不要だと割り切ることも重要です。
特に医学部なんてのはその典型です。
医学という膨大すぎる知識を全部詰め込もうとすると確実に再試にかかります。
最悪留年します。
私も医学部に入学してから、試験前に教科書の内容をすべて詰め込もうとしてパンクし、試験に落ちている人を何人も見てきました。
よって、いかに必要な知識を取捨選択して覚えるかが重要です。
微積物理もこれに似たような傾向があって、特に電磁気ではビオ・サバールの法則など、理解しなくても入試には全く影響がない分野もあります。
それを自分の判断で、すべて取捨選択しないといけません。
これは簡単なことではないですよね。
じゃあ、難しい部分をすべてカットすればいいだけでは?
とお思いになるかもしれませんが、これは間違いです。
エネルギー積分、波動のベクトル図など、一部理解が非常に難しいにも関わらず、入試でも重要な部分はあります。
よって、いかに情報を取捨選択し効率よく学ぶか。
これができないと微積物理の習得に時間だけかかって、結局問題が解けないという自体に陥ってしまいます。
やりがちなミス
他にもいろんなミスを大量に犯してきました。
そういったミスを別の記事にまとめましたので、是非参考にしてみてください。
おそらく、一つくらいは自分がやっているミスがあると思います。
少しでも助けになれば幸いです。
独学に有効な勉強法
ここまで独学か難しいという話をしてきましたが、どういう勉強法がいいのか?
次はこれを紹介します。
白紙再現勉強法
これはいろんな記事でも紹介していますが、物理に問わずいろんな勉強法に有効です。
まず、あるトピックを学んだとして、それを一枚の白紙に再現してみるのです。
もちろん、ゼロから自分の手で再現してみてください。
エネルギー積分だったら、エネルギー積分の導出過程を自力で導出してみてください。
これがスラスラできたらあなたはちゃんと理解できていると言えます。
これができなかった場合は理解があやふやになっています。
↑ちなみにこれがエネルギー積分でエネルギー保存則を導出する過程です。
一個の公式を導出するだけでもこれだけの量なので、いかに微積物理が大変なのかがおわかりになると思います。
微積物理では難しい公式の証明など、理解が困難な部分がたくさん出てくると思います。
こういった部分を”わかったつもり”で終わらせないためにも、この勉強法は是非取り入れてみてください。
ひたすらアウトプット
微積物理はインプットに大量の時間を要しますが、アウトプットにもっと時間を要します。
これが微積物理の難しいところ。。。
とにかく、いつまでも公式の証明や数式を眺めていないで、たくさん解いてみてください。
微積を使う解法はおそらく慣れていないので、逆に時間がかかったり、むしろ解けなくなったりするでしょう。
当たり前です。
初心者がいきなり良い車を乗っても運転が難しいのと同じです。
微積という道具を使いこなせるようになるまで、ひたすらアウトプットを繰り返してください。
おすすめの参考書・問題集
次に微積物理におすすめの参考書・問題集を紹介します。
インプット用(教科書的な本)
新物理入門
こちらの本は「入門」と書かれていますが、中身は数式びっしりなのでご注意を。
大学物理”入門”という意味でこういうタイトルになってるんだと思います。
高校生向けの教科書ですが、微積を遠慮なく使っています。
まさに微積で高校物理を学びたい人向けの教科書と言えます。
これを教科書代わりに独学するのが一番おすすめですね。
大学生になった今見返しても、非常に内容はヘビーです。大学の講義より難しいです。
電磁気の部分は特に難しいですが、読みごたえがあります。
大学物理の教科書
こちらは大学生が物理を学ぶときに使う教科書になっています。
大学の物理の教科書とはいえど、しっかり読めば内容を理解できるようになってます。
一部、明らかにオーバーワークな内容もあるので、そこはうまくスキップするといいと思います。
先程の新物理入門と合わせて読むといいかもしれません。
アウトプット用(演習)
新物理入門演習
問題集を一冊選べと言われたらまずこれを選ぶでしょう。
先程紹介した「新物理入門」の問題集です。
解法は使えるところはすべて微積を使っていますが、それでいてわかりやすい。
微積で問題を解きたいのならまずこの問題集をやってみましょう。
実際に微積物理の使い方を学ぶのに最適の問題集と言えます。
京大の物理
京都大学の物理は特に、背景に微積が絡んでいることが多いです。
というかほとんど微積が絡んでいます。
よって、微積物理を運用するにはピッタリの問題集です。
背景知識を含めしっかり理解できているか、京大の良問を通して確認するといいと思います。
最後にひとこと
受験を終えて思うことは、
とにかく演習量。
これに尽きます。
私はインプットばかりに意識が行ってしまったので、もっと演習量を積んでおけばよかったと後悔しています。
インプットに時間はかかりますが、とりあえず学んだら不完全でもいいので実際の問題で微積を使ってみましょう。
いろんな問題を解くうちに、自分が間違った理解の仕方をしていたことや、インプットの欠落に気づくことができます。
数をこなしていくと、「あ、これ微積使ったらもっと早いな」とか「あ、この背景知識はこれだな」と問題を俯瞰できるようになってきます。
いろんな模試、入試問題を通して、微積を使った解法研究を楽しんでみてください。
これが微積で物理を学ぶ真髄だと思ってます。