基礎医学が始まってから勉強への取り組み方・姿勢を考え直すことが多くなってきた。
大学という新しい環境で勉強をし始めた結果、大学受験期に常識だと思っていたことは、
常識ではなかったかもしれない。
「継続は力なり」
「努力にまさる天才はない」
飽きるほど聞いたこのフレーズにも最近は疑念を抱く。
誰しもが考えるであろう悩み
「毎日コツコツvs短期集中」
について今回の記事で触れていこうと思う。
目次
毎日コツコツvs短期集中
努力というと
- 毎日ジムに通う
- 毎日英単語を20個ずつ覚える
こういった継続的で小さな習慣が挙げられるだろう。
もちろん、こうした努力なしに成功するなんてのは甘えだ。
しかし、何かを学ぶ、成し遂げるには毎日毎日コツコツと努力をする必要があるだろうか??
医学部では
医学部では大量の科目を学ぶ。
例えば低学年では、解剖学、生化学、生理学、微生物学、薬理学、病理学…
などといった大量の科目の知識を詰め込む必要がある。
だが、毎日少しずつ全科目をやっていくかといったら、当たり前だがそんなことはない。
前期に解剖学をみっちりやって、後期に生理学を重点的にやる…
といった流れだ。
各科目を短期集中で仕上げていく。
短期集中の典型例
例えば、学校で二次関数を学習するときを考えてみてほしい。
おそらく、ほとんどの人は1ヶ月~3ヶ月という比較的短期間の間に、その分野の履修が終わっただろう。
「1日10分をコツコツ2年かけて三角関数を習いました」という人はおそらくどこにもいない。
このように、学校などでも短期集中的に学習が進められている。
さらに、短期集中で学んだからと行って、二次関数がすぐにできなくなっただろうか?
そんなことはない。
もちろん、長らく触ってなかったら忘れる可能性もある。
が、それでも少し復習すれば、ほぼすべての内容を思い出せるだろう。
あとは自動車学校なんかもそうだ。
合宿免許では2週間という短いスパンで運転技術ゼロ状態から、一応道路に出て運転できるレベルまで一気に引き上げる。
これも短期集中の典型例だ。
大事なのは
全くやっていないゼロ状態と「あぁこんなのやったなぁ」と思えることは全然違う
ということだ。
これと同じように、あるものを学ぶ・身につける際には
必ずしも「毎日コツコツ1年継続」などといったものは必要ない。
比較的短いスパンで集中的に行うことで、効率的に学習が進められる。
短期集中で成功した例
これまでの失敗
多趣味な私はこれまで幾度となく努力という面で失敗を続けてきた。
努力を意識するあまり、一日のノルマにたくさん詰め込みすぎていた。
そんな私の以前の一日ノルマはこちら↓
- 毎日ピアノ練習
- 毎日英語音読
- 毎日リスニング
- 毎日音感トレーニング
- 毎日筋トレ…etc
当然、多忙な医学部生活ではこれらのノルマを一日でこなすことは到底無理だった。
そう、
いろんなことをやりたいのに、
一日のノルマをこなすには一日が短すぎる!!!
これはあくまでも大学の私の一例だが、科目数が多い受験生などにも同様に当てはまると思われる。
それならば
根本的に姿勢を変えよう。
いろんなことを長期的な継続は大変だ。
だったら、
ひとつのことを短期間で一気にやればいいじゃないか、というのが私の提案だ。
短期集中で軌道に乗せられる
成果が出なかったら努力のモチベーションも上がらない。
しかし、短期集中なら成果は比較的早めに出る。
私の例でいうと、英語の速読なんてのはまさにこれだ。
ある時期に、
「ここ2週間は英語の速読だけに集中しよう!」
と、他のTOEICの勉強などをせずに、英語の速読だけに一点集中した。
これが良かった。
効果はほんの1,2週間で出た。
結果、WPMは100前後から170ほどまで上がった。
そこからは英語を読むのがグンと速くなり、英語速読のトレーニングも軌道に乗った。
苦痛だと思っていた継続を楽しめる状況になった。
軌道に乗ればその後の継続はかなり楽になるのだ。
また、TOEICの勉強とブログ更新の両立は難しいと感じたので、
一旦TOEICの勉強に短期間集中的に打ち込んだ。
結果、無事目標の900点を突破できたかどうかは以下の記事をご覧ください笑
長期継続はいらない?
短期集中の誤解
じゃあ結局のところ長期継続は必要ない??
もちろん、そんなことはありません。
長期継続にまさるもの努力など、この世には無いと思ってます。
上の図を見ると、多くの方が共感されると思います。
センター試験で0%から80%まで上げるよりも、80%から90%に上げるほうが遥かに大変です。
スポーツでも勉強でも、結局これです。
最初のほうが上達が早く、一気にマスターした気になりますが、課題は常に出てきます。
短期集中で勉強した場合は、このグラフで言うと最初の急な坂を登ったくらいで終わってます。
二次関数を一回学んでも、入試問題を解くと全然解けなかったり、二次関数のもっとディープな知識を新たに知ることがあると思います。
教習所を出ても、実際に道路を運転すると知らないことだらけです。
二ヶ月や三ヶ月ジムに通ったくらいでは、そんなに体は変わりません。
結局、何かを100%に近づけるにはながーくしんどい努力、継続が必要なんです。
繰り返しになりますが、長期継続にまさるものはないです。
短期集中の意義
それでも、短期集中をやる意味はあります。
前述したように80%くらいの習熟度になると、とりあえず軌道に乗ります。
いったん教習所を出ると、まだ運転初心者とはいえ色んな場所へドライブができます。
いったん二次関数を学ぶと、いろんな二次関数の入試問題にチャレンジすることができます。
私は結局、短期集中の目的はこれなんじゃないかなぁと思います。
不完全で課題もまだまだあるが、ある程度のレベルまで持っていく
これが短期集中の役割だと思います。
今回一番言いたかったことはこれです。
今後勉強計画や何かを成し遂げようとする際は、是非これを参考にしてみてください。
必ずしも毎日やる必要はないんだという風に、常識を疑ってみることは大事です。
上手に計画を立てる
しかし、前述した私の例のように、ピアノ、英語…など多趣味な人たち、
また、受験生のように多くの分野、科目を学習しなければならない人たちにとって、
毎日決まったノルマをこなしていくのはなかなかしんどいし続かないと思います。
そういうときに、短期集中の選択肢を考えてみましょう
例えば、夏休みは投資の勉強、秋からは医学に集中、冬季休暇の2週間は英語の多読に挑戦しよう…
などというように、短いスパンごとに重視するものを変えるのがおすすめです。
上手に取捨選択してください。
また、短期集中で得たスキル、知識も、忘れ去ってしまうのは非常にもったいない。
定期的に復習、ブラッシュアップを行うのをおすすめします。
こうすることで、記憶も長期間保持することができるようになります。
イメージとしては、短期集中で入れた知識の復習を継続的に行うといった感じです。
一番やってはいけないのは何もかもやろうとして結局全部中途半端になってしまうことです。
少し前までの私ですね。
英語もやろう、ピアノも弾こう、YouTubeの更新もして医学の勉強もしなきゃ…
結局何もかも手が回らず中途半端な状態に終わりました。
これは最悪です。
一旦他のことはできなくなるが、とりあえず一つのことに集中する
とても勇気のいる行動だと思いますが、効率よく勉強するためにはこの覚悟は必要です。
結論
今回の記事では、短期集中vs長期継続というテーマで記事を書いてきました。
さて、結論を言わせていただくと、
長期継続>>>>>>>>>>>>短期集中
です。
こんな記事を書いといてあれなんですが、
結局毎日コツコツするのが一番大事です笑
リスニングをぶっ続けで20時間聞いても海外のYouTubeは聞き取れません。
が、毎日20分程度英語を1年ほど聞き続けていると、いつのまにか聞き取れるようになっています。
不思議ですよね。
毎日で変化に気づくことはありません。
ときには成長を全く実感できないこともあります。
しかし、
長い目で見るといつのまにか大きな変化をしている。
これが長期継続の醍醐味だと思います。
しかし、いろんなことを広く、そしてある程度深く学んでみようという方には、
短期集中である程度のレベルまで上げる・入り口を作ることが大事だと思います。
入り口を作ったらあとは自分の好きなように続けていくだけです。
結局最後は長期継続です。
ひたすら100%を目指して、地道に少しずつ、努力をしていきましょう。