勉強はインプットとアウトプットのバランスが超大事という話。

本当に馬鹿げた質問だと思いますが、

皆さんはなんのために問題を解いているのでしょうか??

教科書はいわば受験の”ルールブック”です。

どの大学も、これらの教科書に沿った内容の問題しか出しません。

だから教科書を完璧にしたら入試問題のすべての問題は解けるはずでは?

答えはもちろんノーですよね。

教科書でいくら定理や公式を学んだところで、実際に例題を通して具体例を見ないと問題を解くことはできないはずです。

我々は問題を解けるようにするために、これらの問題演習をするわけです。

しかし、だからといって何の目的意識も持たず、ただ闇雲に

「この参考書を〇〇周すれば偏差値が20上がるんだ」

と妄信的に参考書を周回したり、漠然と問題を解き続けいている人が多く見受けられるのが現状です。

特に、この時期は基礎のインプットを終えて問題演習に移行する大事な時期です。

ここで改めて、

  • なぜ問題演習をする必要があるのか
  • どのように問題演習に取り組んだらいいのか

を考えていきましょう。

この記事ではまず、前者の「なぜ演習する必要があるのか」について考えていきます。

ここで大事になるのが、「インプットとアウトプット」です。

学習において最も重要な要素「インプットとアウトプット」

世の中にある学習と呼べる学習はすべてインプットとアウトプットの二段階からなります。

インプットとはゼロだった頭の中に知識を入れることです。

アウトプットとは、そのインプットされた知識や技術を実践することです。

数学の例で言えば

  • インプット:定理、公式、典型問題
  • アウトプット:インプットの知識を基に問題を解くこと。

また、英語のスピーキングの例で言えば

  • インプット:単語、文法、文型
  • アウトプット:実際にインプットを使って話すこと

学習の最終目標は”アウトプット”

問題を解く、というのはアウトプットそのものです。

ですから、入試本番でインプットした知識をアウトプットできれば、必ず問題は解けるようになっています。

また、言語学習だって同じです。

覚えた単語や文法、文型というインプットを、会話という実践において、使えそうな場面で適切にアウトプットできることが目標です。

勉強に限らず、ありとあらゆる学習のゴールは

「インプットした知識を、適切な場面でアウトプットできるようにすること」

に違いありません。

入試では「問題をより多く解けた人」が必ず合格します。

では、問題を解く、つまりインプットした知識を実践でアウトプットできるようになるにはどうすればいいのでしょうか。

次はそれを考えていきましょう。

インプットの重要性

まず、アウトプットできるようにするにはもちろん、インプットが重要です。

さらに言えば、「ある程度強いインプット」が必要です。

ある程度強いって何だ??と思うかも知れません。

以下の2つの例を通して考えてみましょう。

スポーツの例

スポーツをされている方ならわかると思いますが、スポーツで言うインプットは

  • 敵を抜くための技術
  • チームの動き方

などを指すと思います。

練習で散々言われることでしょう。

 

  • ここにディフェンスがいたらオフェンスはこういうふうに動く。
  • こういった場面ではこのディフェンスににスクリーンをかける。

「へ~、そんな動き方があるんだ。知らなかった~。」

というふうに、練習を通していろいろな動き方を学び、インプットします。

また、技術面でもそうです。

  • この動きを使えば、相手の重心を崩して抜き去ることができる
  • このハンドリングはこういったときに有効

というふうに、人から教えてもらったり、あるいは動画などをみていろいろな技術をインプットします。

では、そうやって教わった、知ったインプットの知識を、どう実践に活かせばいいのでしょうか。

どうすれば本番の試合でアウトプットできるようになるのでしょうか。

それはまず、インプットがある程度定着していることが大前提になります。

試合中、インプットした技術が使えそうな場面に出くわしたとき、

少なくとも頭の片隅に

「そういえば、こういった場面ではここにパス出すのが有効だな」

といったインプットが残っていないといけません。

しかし、インプットが弱すぎると(学んだ事自体を忘れていると)

そもそも「こんな動き、技術があったな」

と思い出すことさえできません。

インプットした知識を適切な場面でアウトプットするには、すぐにでも思い出せるレベルでインプットが強く記憶されている必要があります。

そういう意味で「ある程度強いインプット」と書いたわけです。

言語学習の例

スポーツに馴染みがない方には、先程の説明はわかりにくかったかも知れません。

しかし、私達はすでに非常に高度なアウトプットを行っていることにお気づきでしょうか。

そう、言語の運用です。

例えば、あなたが「無きにしもあらず」という表現を学校で習ったとします。(インプット)

そしてその数日後、まさにこの「無きにしもあらず」という表現を使う場面があったとしましょう。(アウトプット)

そのとき、

「まぁ、それも無きにしもあらずだね。」

とさらっと言えるかどうか、つまり、アウトプットできるかどうかは

あなたが「無きにしもあらず」という表現を少なくともとっさに思い出せる程度には、覚えている必要があります。

つまり、インプットした知識をアウトプットできるかどうかは、

インプットされた知識がある程度強く記憶されていることが大前提になるわけです。

アウトプットの重要性

先程までは「インプットがいかに重要か」ということについて述べてきました。

確かに、インプットが強く残っていれば、実践でアウトプットがある程度できるようになります。

実際、チャート式などの典型問題をほぼ全部完璧にインプットしたら、かなり多くの数学の問題を解くことができると思います。

しかし、インプットだけではやはり不十分です。

アウトプットによって実践経験を積むことが何よりも重要です。

ではなぜそれらの実践経験が不可欠なのか??

これについてもスポーツと言語の2つの例で考えてみましょう。

スポーツの例

これもスポーツをしている人ならよくあることだと思いますが、

自分の練習していたドリブルが、試合でかなり上手く決まったとき

その経験はものすごく印象に残ると思います。

なるほど、ああいうときに使えばいいのか!!!

自分が身に付けたスキル(インプット)を実践(アウトプット)で使用して、思いの外上手く決まったとき

ただインプットするよりもずっと印象的に脳に刻み込まれます。

そして、次から似たような場面に出くわすと、今度は反射的にそのスキルが使えるようになると思います。

つまり、そのスキルのアウトプットが容易にできるようになるわけです。

言語学習の例

スポーツに馴染みがない方も、この例ならしっくり来るかと思います。

例えば、「それこそ」という表現を実際の会話で

「それこそ、あの件も○○だよねぇ」

というふうにさらっと使えたとき、非常に強固に記憶に残りませんか?

そしてあなたの脳内では

「なるほど、こういうときにこの表現を使えばいいのか!!」

と強く学習されます。

そしてその瞬間から、「それこそ」という表現を実際の会話ですらすら使うことができるようになるわけです。

ただ単に「それこそ」という表現を学ぶよりも、遥かに効率的にアウトプットすることができるようになると思います。

そう、言語は

ただただ意味を覚えるだけでは不十分で

適切な場面でその表現を使ったとき、初めてその表現をマスターできる

のです。

一回の成功体験による効果

上記のスポーツ、言語学習のどちらの例もあることが共通しています。

それは成功体験です。

どんな形の学習であれ、

インプットした知識を、実践で正しくアウトプットできた!!

という成功体験が、なによりも効果的です。

数学で難しい問題が解けたとき、こう思いませんでしたか?

「なるほど、この定理はこういったときに使うのか!!」

こういった成功体験があれば、似たような問題が来ても次は反射的にインプットした定理をアウトプットできるはずです。

そう、問題演習による効果で何よりも大きいのは

インプットを実践でアウトプットする成功体験を得られることです。

しかも、その成功体験で得た思考回路はかなり長期的に残ります。

よって、一度解けた問題はしばらく復習しなくても問題ありません。

振り返り、反省でも学べる

もちろん、問題が解けずに成功体験が得られなくとも、アウトプットができるきっかけを作ることは可能です。

それは、振り返り、反省、要するに復習です。

スポーツでもなんでも

「ここのときにこうすればよかったなぁ」

と反省、振り返ることで、次回以降同じような場面に遭遇すると、次は成功する可能性が高まります。

勉強もそれと同じで、もし問題が解けなくても、

「なるほど、こういうときにこの公式を使えばいいのか」

と、学ぶことで、成功体験ほど強力でなくとも、ある程度は強く脳に学習されると思います。

ですから、こういうわけで問題演習をした後の復習は必須なのです。

インプットとアウトプットのバランス

さて、ここまでアウトプットとインプットの重要性について解いてきましたが、

私の経験上、アウトプットとインプットには適切なバランスがあります。

それを今から解説しようと思います。

完璧主義に陥ってはいけない

よく完璧主義というか、何事もきっちり終わらせたい人にありがちですが、

「この参考書を完璧にしてから過去問演習に移ろう」

とか

「標準レベルをマスターしてから発展問題をとき始めよう」

というふうに、段階を完璧に終わらせてから進んでいく人がいます。

もちろん、完璧主義自体は素晴らしいことで、私自身も完璧主義じみたところがあることは大いに認めます。

しかし、学習するにおいて、この「完璧主義」というのは大きな障壁になりかねません。

車の免許を持っている方はわかると思います。

まず、公道で運転する前に教習所内の道路のミニチュアのような練習場で運転を練習すると思います。

しかし、公道に出てみたらわかると思いますが、教習所でいくら運転を完璧に練習しようと、実際に運転はできるようにはならないのです。

それと同じで、いくら地理の教科書をみっちり読み込んだところで、過去問を解いて実践経験を積まないと一向に成績は上がりません。

これは受験期に私が陥っていた事例でもあります。

黄色本と呼ばれている、いわば地理のテキストをみっちり読み込むという勉強をずっと続けていましたが、一向に成績は上がりませんでした。

もちろん、インプットを完璧にすればある程度は実践でも通用すると思いますが、それでは効率が悪すぎます。

私個人的な感覚では

インプットが50%でもできていたらアウトプットの段階に移るべき

だと思います。

アウトプットのメリット

さらには、アウトプットにはこれを通してでしか得られないものがたくさんあります。

先程述べた「成功体験」を学べるのも非常に大きいです。

そのほかにも、アウトプットを通して、様々なことが学べます。

例えば、実際に公道を運転してみると、教習所で習うこと以外にも気をつけることはいくらでもあります。

路駐している車、突然飛び出してくる自転車、右折のタイミング…

こうしたアウトプットを通して、

  • 「こういうところは気をつけないとな」
  • 「こういった事例もあるのか」

などというふうに、注意点インプットの抜け穴を見つけることができます。

私のイメージとしては

  • インプット50%を終わらせる
  • アウトプットを通して、インプットを100%に限りなく近づけていく

これが理想的なインプットとアウトプットのバランスです。

さいごに

結局何が言いたいかと言うと、

勉強はインプットとアウトプットのバランスが超大事!!

インプットももちろん重要です

しかし、

問題演習(アウトプット)なくして、問題が解けるようになるなんてことはありません!!!

次回はその続き、

「では正しい問題演習とはどういったものか」

について説明していきます。

今回の記事と合わせて読むことを強くおすすめします!!

それでは~~

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